2人だけ
言われた通り待っていること数分で深瀬さんがペットボトルのお水とカーディガンに車椅子を連れて戻って来た。
もの凄く気を使わせて申し訳ない気持ちで謝れば、いつもしてた事だから気にしないで欲しいと言われた
車椅子に座れば、膝にカーディガンを被せて貰う。
「深瀬さん、いつもって?」
「事故前からずっと身体が病弱で、良く面倒をみていたんだ」
優しく微笑む姿をみて、何も言えなくなって顔を逸らした。
車椅子はエレベーターに乗って一階まで落ちる
腕時計を持ってなくって深瀬さんの腕時計を見せて貰えばちょうどお昼を回った所だった
いつもなら本を読むのを切りあげて、ご飯を食べている時間帯なのに。
決められた時間に違う事をしていると何だか悪い事をしているみたいに思えた
「無許可で病室を出て来たから、きっと怒ってるよ」