Dear だいすきな君



今年は早めに
制服が夏用にかわった。

この暑さは異常だ。

クラスのみんな
ぐったりしていた。


「結愛〜
 下敷き貸して〜!」

手でバタバタと仰ぎながら
悠河は後ろを向いて言った。

あたしは二枚ある下敷きから
綺麗なほうを渡した。


「サンキュ!」

君は笑った。


いつからだろう
この笑顔を
独占したくなったのわ。


夏を迎える今も
悠河とあたしは
こんな状態だった。

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