たった1人の王子様
☆Prince1☆


尋也。私ね、あんたと初めて会った時、
「一番嫌いなタイプだ」
って思ったんだよ。


今ではこんなに愛しく想えてしょうがないのにね……

************
ピッ…ピッ……ピッ……

「雅美!雅美!起きて!! 目を開けて!!」


“あぁ、まただ”

私は思った。
そして、いつもの様に重い瞼を強い光に耐えながらゆっくりと開く。

目の前には、自分の部屋ではなく、真っ白な天上。

聞こえるのは、私の好きな音楽ではなく、ピッ…ピッ……という機械音。


そして、

「雅美!!」


不安そうな顔で私を見下ろす両親が、抱きついた。


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