たった1人の王子様


「よかったわ……雅美。
もう目を開けないのかと 思った………」


“そんな言葉もう聞き飽きた”

私は心の中でそう言った。何回も同じ言葉を言われるから、もうこの言葉の大切さなんて忘れてしまった。

「そうだ!お母さん、お医者さまに言ってくるわね。雅美が目を覚ましましたって」

ウフフ♪ そう言いながら部屋を出ていく母を見送って私はため息をついた。

「何回目だろ……ココ。」
そう言って、また1つ、ため息をついた。


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