元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
久しぶりだった。
彼と話をするのが楽しいと感じられた。
あたしはミラー越しに彼を見た。
話しながらも真剣に車を運転している。
あたしは胸を押さえた。
心臓が少し騒がしい。
あたしは胸から手を離した。
それでも鼓動は聞こえてくる。
あたしは呆れてしまった。
今日のあたし、何やってるんだろう。
仕方ない状況だったとはいえ、真幸以外の男の子と手繋いじゃったし、片付けサボったし…
あたしはもう一度ミラーに写る彼を見た。
恩師であり、これからは先輩になるであろうこの人は、残念か否か分からぬが元カレである。
しかも、顔も中身も所謂イケメンなのだ。
そして今、彼とは車の中で二人きりでいる。
心臓はより煩くなってきた。
車はまた赤信号を前に止まる。
早く帰りたい。
あたしはそう思った。