元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
だがみやびちゃんは、何があったかは聞かなかった。
代わりに別の質問をしてきたのだ。
「ねぇ妃奈ちゃん、」
「何?」
「今から言う事、私が聞いちゃいけない事かもしれないから、気分害したら答えなくていいからね。」
「うん。」
「高校の時、妃奈ちゃんは北条先生のこと好きだったよね?
なのにどうして気持ち伝えなかったの?」
「…」
言葉に詰まったのは、その問いに気を悪くしたからではない。
「…本当に好きかどうか、よく分からなかったから。」
あたしはとりあえず着替えようとした。
「ちょっと待ってね。」
あたしは部屋着を持って一回部屋を出た。
…
予想外の質問だった。
そしてあまり深く考えようとしなかった事に対する質問だった。