元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたしは部屋着を抱き抱えるように持ち、その場に立ち止まった。
どうしてだろう?
思い出すは高校二年の終業式。
彼との二度目の別れの日だった。
…
さっきみやびちゃんに言った通り。
多分、多分だけど大好きだった。
あたしは深呼吸をした。
少し冷静になれるような気がした。
それからあたしは目を閉じる。
鮮明な記憶は、あの頃のあたしの思想、状況も含まれていた。
それにはまだ生命があるように思えた。
箱に閉じ込められた猫が飛び出てきたかのように、それはあたしに飛び掛かった。
当時から離れた今ならそれを客観的に判断できる。
そう、あたしは…
あたしはそれから別室で着替えを済ませ、部屋に戻った。
みやびちゃんは、悪いことをしてしまったと、後悔の色を表していた。