元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
確かこの二人、付き合ってたよね?
あれは高校三年生の春。
その年のお正月に引いた恋籤に『身近な方が貴方を幸せにするでしょう』と書かれていた阿紗子は、同じクラスになった里田君の事が好きになって
「きっと里田君の事だ!」
と言い、付き合い始め、卒業後も付き合ってるって聞いた。
里田君と阿紗子は、友達のように会話をしていた。
あたしは確実に邪魔な気がした。
そしてまたドアが開く。
戸田が入ってきた。
「久しぶり!」
やはり戸田は笑顔だった。
「総合的な教育実習担当は俺だ。
でも実際に各自で実習する時は、君達は違う先生にお世話になる。
だから今からその先生の紹介する。」
誰だろう。
自分の知っている先生がいいな。
そうあたしは思った。
「まぁ体育教師を志望する里田は俺が実習も担当するわけだが。」
里田君、可哀相。
あたしは哀れに思えた。
「先生方、御入り下さい。」
またドアが開く。