元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
秘密―祐喜―
「馬場ちゃん!」
嫌そうな顔をした馬場ちゃんが振り返る。
彼女は俺を睨みつけると、また反対方向を向いて歩いていこうとした。
「ちょっと待てよ!」
俺は軽く走って彼女の元へ行った。
「…何?」
彼女は決して視線を合わせない。
「俺が言った通りでしょ?」
「…まだ確定してない。」
「ちょっとぐらい俺のこと信じろよ?」
「…」
俺は心の中で溜め息をつく。
「見ただろ?
俺が来た時、彼奴若干嫌そうな顔してただろ?」
嫌そうな顔といっても、今の彼女のようなあからさまなものではない。
人の気持ち読み取るのが上手い奴しかきっと気付かないだろう。