元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
馬場ちゃんは言った。
「皆に喋るの?」
言葉だけ聞けば、隠し事がばれるのを恐れるものだ。
なのに表情だけ見れば、そんな様子は全く見られない。
追い詰められるのかと思っていたのに、余裕が見える。
それが少し悔しかった。
「喋るつもりはないよ。
喋ったところでなんの得もない。」
「…どこでその事知ったの?」
「内緒。」
少なくとも、今は教えられない。
そう、とだけ馬場ちゃんは言った。
追求する気はないらしい。
「まぁ、お互いの恋の為に頑張ろうよ。」
「本気で滝沢先生のこと好きなの?」
「内緒。」
「違うなら邪魔するからね。」
馬場ちゃんは教室に戻った。
俺は心の中で呟いた。
それもまだ教えてあげない。