元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あの日、俺は会議室の前で一人の男を待っていた。
待っている間、俺はワクワクしていた。
俺が滝沢さんのこと好きだって聞いたら、北条はどんな顔するんだろう?
そんなのを楽しみにしている自分の底意地の悪さも頭の隅で感じながら、俺は英語科の会議が終わるのを待った。
ワクワクはしながらも、長すぎる会議に苛立ちを覚え始めた頃である。
会議室のドアが開き、中から英語の教師がゾロゾロと出て来た。
俺は彼奴だけを探した。
彼奴は教師の群れの最後の方に出てきた。
「北条先生!」
俺は自分を抑えながら言った。
「ちょっと相談っていうか、なんていうか…」
「ちょうど会議終わったところだしいいぞ。」
「ありがとうございます!」
俺達は場所を変えた。
人通りの少ない階段の踊り場に着く。
「どうしたんだ?」