元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
俺は持っていた空き缶をごみ箱に投げ捨てた。
空き缶は綺麗に孤を描き、カランと音を発してごみ箱に入っていった。
あれからは、まあ順調ってところか。
俺は教室に戻った。
誰もいない教室で、俺の鞄は寂しそうに机の上に乗っかっていた。
黒い鞄は、茜色の光を浴びているにも関わらず真っ黒だ。
俺は質問に持っていったプリントを鞄にしまい、また教室を出た。
ドアを閉めて玄関に向かおうとした時、C組の様子が気になった。
俺は方向を変え、C組の教室を覗いた。
誰もいない。
だが、机や床がオレンジ色に輝いている。
ここが北条のクラスか…
俺は特に何もせずにまた玄関に向かった。
廊下は静かに、夜を迎える準備をしていた。