元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


一瞬、間が出来た。


みやびちゃんはまた口を開く。


「私、自分のことしか考えてなかった。」


みやびちゃんの声はとても小さかった。


だけどあたしの耳にはちゃんと届いた。


「パパもママも、私が将来家を継がない可能性が出るから、就職に反対したのかなって考えてた。」


「うん。」


あたしは相槌を打つ事しかしなかった。


「だけど、それは違うって玲奈さんが教えてくれたの。」


「お姉ちゃん何て?」


「パパやママは、私を外に出したくない程可愛がってるんだって。
それは過保護すぎて良い事じゃないけど、大切な娘が社会の荒波にのまれるのを見たくないんじゃないかって。
玲奈さんはおっしゃった。」


「お姉ちゃんも十分過保護なんだけどな。」


お姉ちゃんがみやびちゃんにそう話している様子が目に浮かんだ。


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