元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
だが、互いに仕事や実習で疲れている者同士だ。
雌雄を決する前にこの戦は終わった。
「お姉ちゃん、一つだけ聞いてもいい?」
「いいよ。」
「もしあたしがお姉ちゃんの妹じゃなくて娘だったら、同じように接してた?」
「それは日常?
それとも今日みたいな時?」
「両方。」
「そうね…
ほぼ一緒じゃないかな。」
「ほぼか…」
「さっきは偉そうな事言ったし、みやびちゃんの両親の気持ちも分かるよ。
でも妹と娘って何か違うと思うんだ。
何かはよく分からないけど。」
「本当に親になって始めて分かるのかな。」
「100%理解出来るようになるのは子供産んで育てる時だろうね。
でも教師になるなら、妃奈はもうちょっと早く分かり始めるんじゃない?」
「きっとそう。
色々な保護者がいるだろうけど、そういうのも学んでいかなきゃね。」
「頑張れ先生。」
「まだ早いよ!」
今日一日で、あたしは少し成長した気がした。
明日からもっと頑張れる、そう思った。