元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「これ持っていけばいいんですか?」
「そうだけど、馬場はやめとけ。
重いから。」
「大丈夫ですよ?」
「女子なんだから重いの持たなくていいよ。
それにあと2個だから。」
「でも滝沢先生が運んでるでしょ?」
「滝沢は…いいんだ。」
…
そりゃそうだ、肉体労働しなくていい教師なんていない。
「滝沢先生のことも女の子扱いしてあげないと!」
馬場さんのフォローが心に染みた。
だが今考えるべきはそんな事じゃない。
行ってもいいのだろうか。
あたしは廊下の曲がり角で止まってしまった。
幸せそうに話している馬場さんの邪魔しちゃ悪い気もする。
が、仕事を放置するのもいけない事だ。
さてどうしようか、という時である。
「滝沢先生!」