元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「磐井君!」
二人に気を取られていたので、気付かなかった。
磐井君は曲がり角の向こうを覗いた。
そしてあたしの方を見てニッと笑った。
「俺が馬場ちゃんの事呼んだら、進んで下さい。」
「え?」
「任せて下さい。」
そう言って彼は何の躊躇いもなく足を進めた。
「馬場ちゃん!」
あたしは慌てて彼らの元へ足を進めた。
「何?」
馬場さんはあたしに気付いてないらしい。
「地理教えて!
明日の小テストマジヤバいんだって!」
磐井君は無理矢理彼女のことを連れて行ってしまった。
「滝沢!」
去り行く二人を見ていたら急に呼ばれ、あたしは驚いた。