元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「あの…」
返事はない。
どうすればいいのだろう。
無理に引きはがすと、今度は彼が落ちるかもしれない。
幸いにも、今は人がいないし、確かに人通りの少ない時間ではある。
しかしそれは人が来ない事を意味していない。
誰かが来てこの状態を見たら、非常に面倒な事になるだろうな。
それはまた困る。
「北条先生…」
消えそうなぐらい小さな声で言ったが、響いている。
もし北条先生のファンがこの声を聞いたら、飛んでやってくるかもしれない。
だからあたしは小さな声で言ったのだ。
決して…