元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたしはハッとした。
「ごめんなさい。」
「謝らなくていいから。」
彼があたしに目で伝えようとした事が分かった。
一つは昨日の事を申し訳なく思う気持ちと反省だ。
きっと彼は、仕事場で、それも仕事の真っ最中にあんな事したのを凄く気にしている。
そして、あたしが思い悩み、それを顔に出すと考えた。
確かに彼に言われなければ、一日中気にして、実習どころではなかったはずだ。
彼は自分の不注意を、違う形であたしが繰り返すと懸念したのだろう。
チャイムが鳴った。
気付けば、職員室は大人ばかりだった。
大人達もぞろぞろと立ち上がっては職員室から出ていく。
あたし達も全く同じ動きを繰り返す。
あたしは自分の担当教師の後ろを着いて行く。
途中、あたしは下を向いた。
他の人にばれないように、表情を作る練習をした。