元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
秒針は規則正しく移動していく。
職員室に残る人数も徐々に減っていく。
それでもあたし達はまだ立ち上がらない。
「お先に失礼します。」
「お疲れ様です。」
そんな挨拶も、毎日のことだから慣れてきた。
今日もまた、沢山の決まり文句を聞くのだろう。
「北条先生、こっちは終わりました。」
あたしは彼にプリントを渡す。
「分かった。
じゃあ今日はこれで。」
「え?」
あたしは一瞬唖然とした。
まだ下校時刻にもなってない。
「今日はもういいんですか?」
「あぁ。
今日は早めに切り上げる。」
「…分かりました。」
きっと話があるから、早く終わろうとしている。
それにしても早すぎる気がした。