元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
レストランが込み始める。
でもあまりガヤガヤしていない。
まるで何かに守られているようだ。
「北条先生、自分ばかり責めないで下さい。
あたしだって、抵抗しませんでした。」
あたしは彼の目を見て言った。
「それは、俺が滝沢の指導係だからだろ?」
「違います。」
思ったよりもハッキリとした声で、あたしは否定した。
「違うんです…」
でも後に続ける言葉が見付からなかった。
あたしはまた俯いた。
これでは嘘を付いているようだ。
「確かに滝沢は何もしなかった。
でもそれは、滝沢が悪い理由にはならない。」
「…どうしてですか?」
そう、この人はいつもこうなのだ。