元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
絶対に自分のせいにする。
相手をより一層傷付けたり、罪の意識を重くしない為に。
遠い昔の事を思い出す。
初めて愛した人がもう会いに来ないって分かった日の話だ。
あの時あたしは、悲しみや絶望に身を沈めるだけで何も考えていなかった。
だけど今なら分かる気がする。
何故、彼はあんな事したか。
あの頃あたしはまだまだ幼くて、夢ばかり見ていたようなものだ。
あたしは彼を運命の人だと信じ、理想の人だと思っていた。
外見も中身も良くて、何かあったら何時までも話を聞いてくれ、ちょっとした事でも誉めてくれて、悪い事があれば叱ってくれて、心から愛してくれた。
甘えて、依存してたよね。
そんなあたしが、愛し、信じていた彼から真実を聞いていたなら…
あたし、正常でいられたかな?
彼と会わない事が、残酷な現実からの盾となっていた気がする。