元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
周りの世界が霞んでいくように思えた。
その世界は時には輝き、時には黒々と汚れる。
世界を構成しているのは人であるから、その変化は当然の事だ。
でも俺は、そんな日常の世界から一人遠のいているのではないか。
そう思ったのは2度目である。
最初は社会人になったばかりの頃の話だ。
そして2度目は今だ。
滝沢を目の前にすると、時折俺は現実社会がどうでもよく思える時がある。
でもそれじゃ駄目だ。
現実が霞んだなら晴らさなきゃならない。
滝沢とも向き合わないといけない。
もしかしたらこの3度目の出逢いは、向き合う為のものだったのだろうか?
だとしても、滝沢の選択次第ではきちんと話すのが最後になるかもしれない今日限りかもしれない。
俺は少し深く息を吸った。