元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


ホームルームは淡々と進められる。


無駄な話なんて無い。


放課後を楽しみに待つ者にとってのホームルームが何であるかを分かっているようだ。


そのホームルームでさえ、今日のあたしには長く感じられた。


一日の終わりの挨拶をして、掃除が始まる。


今日も今までと同じく、北条先生は一足早く職員室へ向かう。


掃除の手伝いはあたしの仕事の一つだ。


生徒がサボってないか、手を抜いていないかを管理するわけではない。


教師と生徒でない実習生の課題のようなものだ。


仕事ではない。


教師の仕事を予習しつつ、生徒のやる事を復習する。


生徒でいる時間はもうとっくに終わったが、教師でない時間はもうすぐ終わりが来るのだ。


あたしは先週の水曜日の事を思い出した。


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