元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
何故今それが必要なのかを北条先生は教えてくれた。
戸惑いを覚える為だと言っていた。
まだ教師でないのに「先生」と呼ばれる機会が必要なのだと。
「不必要に不安がるのはいけないし、自信を持たないといけないけど、少し戸惑うのは大事なんだ。」
北条先生はそう言っていた。
戸惑う事は成長に繋がるのだと。
確かに掃除を手伝う間は戸惑いが生じる。
あたしに「先生」なんて呼ばれる資格はあるのかと。
あたしもまだ学生だ。
教員免許も持ってないし、ここの学校の試験を受けたわけでもない。
でもそう呼ばれるからには、呼ばれるに値する人間になりたいと思う。
それが大事なんだと、北条先生は教えてくれた。
少なくとも、自分はそれを大事にして仕事しているのだと。