元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
喋らないとは言ったが、信用出来ない。
あたしはこの学校に通う全ての人に、英語が苦手だと嘘をついているんだ。
バレるとなったら、学校にいられなくなるかもしれない。
あたしの最大の弱みを握った男、磐井佑喜。
彼の目的はなんだろう?
あの男はあたしに何も要求しなかった。
滝沢先生とのこと、協力しろって言うのかと思ったが、お互いに頑張ろうと言っただけだ。
そりゃ、協力しろという意味にも取れるが、あの言い方なら無視も出来る。
謎だらけだ。
真意も情報源も何もかも。
情報源…
あたしは一つの可能性に気付いたが、すぐに捨てた。
あまりにも現実離れしている。
あたしは溜め息をついた。