元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


午前中しか授業がない学校は、まだお昼なのに人が少ない。


教室に入っても男子が二人いるだけだ。


「馬場さん!
俺らもう帰るけど、鍵頼んでいい?」


「いいよ。」


「ありがとう。
宜しく!」


二人は行ってしまった。


電気が付いていない、太陽光だけの教室。


暗くはないが、明るくもない。


あたしは窓際まで行った。


見上げると、太陽が見えた。


昼の太陽は高い。


なのにあんなにも輝き、地上にいるあたしにも光を与える。


それは眩しく、直視出来ないし、近付く事だって殆ど出来ない。


東京スカイツリーに登ったとしても、まだ程遠い。


いっそのこと、近付くだけ近付いて、焼け死のうか。


そんな事さえ考えてみた。


< 254 / 410 >

この作品をシェア

pagetop