元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
-*-1st Tuesday-*-
彼女の視線
あたしは少し早歩きしていた。
間に合わないわけではないが、早く学校に行きたかった。
門に着き、階段を駆け上がる。
やはり疎らにしか生徒はいない。
そんな僅かな生徒達も、あたしの姿を見ては挨拶してくれる。
なんだか照れ臭いが、やはり嬉しかった。
あたしは第二応接室に着き、荷物を置いた。
荷物はここに置くのが決まりだ。
だが、こんな朝早くに着ても正直する事がない。
まだ阿紗子は来ていないし、戸田に会いに行くのも憚れる。
どうしようか。
そうするとドアが開いた。
「おはよう。」
あたしはそちらを向く。
「おはようございます。」
北条昴だった。