元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたしはまた溜め息をついた。
本日の溜め息の回数は、両手両足の指の数を遥かに上回っている。
一々数えてるわけではないが、何となく分かる。
あたしはシャーペンを置いて、放心したようにダランと腕を下ろした。
何かしてないと落ち着かないが、やってもろくに集中出来ない。
今度は目も閉じた。
深く息を吸い、吸った分を全て吐き出した。
息をする度に、 何かが近付き、何かが遠ざかる。
近付いてくるのは、きっと大事なものだ。
同時に、遠退くのも同じぐらい貴重なものだ。
…
あたしはノートを閉じた。
注意が漫ろな時に何かしても上手くいかない。
何もしないでおこう。
何も考えないでおこう。
そうだ、時間が来たらまた動き出すのだ。
それまでいいじゃないか。