元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
ふと目を開けた。
「どうしたの?」
「うん?
休みの日くらい妹に会いたいじゃない。」
「ほぼ毎日会ってるよ。」
「でもゆっくり話せる日って殆どなかったじゃない。
特に妃奈が実習に行きだしてから。」
確かにそうだ。
あたしは朝が早いし、お姉ちゃんは夜遅く家に帰る。
「最近どう?」
「うーんと…色々大変かな。」
「社会人になったらもっと大変だよ。」
「そうだよね。」
一つ一つ短い会話が、ビーズのネックレスのように繋がれる。
それだけで、さっきのモヤモヤした気持ちは和らいだ。
「お姉ちゃんって社会人になってもう何年?」
「えっと…妃奈が高2の時で、今が大学4年生だから…」
「自分の年で考えたらいいのに。」
「こうも忙しいと自分の歳が分からなくなるのよ。
…5年は経ったね。」