元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
お姉ちゃんは納得いかないような顔をした。
嘘をついたとバレてるのだろうか?
「じゃあね。」
諦めたかのように、お姉ちゃんは立ち上がった。
でもすぐには出ていかない。
「ねぇ妃奈。」
「何?」
「妃奈が結婚する時、相手は家に挨拶しにくるじゃん。」
「うん。」
「その時はその場であたしにも挨拶させてね。
お父さんもお母さんもすぐにいいよって言いそうだから、あたしがちゃんと相手を見なきゃ。」
「確かに二人とも許してくれそうだよね。」
お姉ちゃんの審査を通る人か…
そんな人っているのだろうか?
「でもさ、」
お姉ちゃんは言葉を繋ぐ。
「相手が昴なら、逆にあたしがいない時に挨拶に来させなさい。
喋るまでもなくどんな人間か分かるから。」
そう言って、お姉ちゃんは部屋から出ていった。
あたしは夢を見ているのではないかと思った。