元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


お姉ちゃんは納得いかないような顔をした。


嘘をついたとバレてるのだろうか?


「じゃあね。」


諦めたかのように、お姉ちゃんは立ち上がった。


でもすぐには出ていかない。


「ねぇ妃奈。」


「何?」


「妃奈が結婚する時、相手は家に挨拶しにくるじゃん。」


「うん。」


「その時はその場であたしにも挨拶させてね。
お父さんもお母さんもすぐにいいよって言いそうだから、あたしがちゃんと相手を見なきゃ。」


「確かに二人とも許してくれそうだよね。」


お姉ちゃんの審査を通る人か…


そんな人っているのだろうか?


「でもさ、」


お姉ちゃんは言葉を繋ぐ。


「相手が昴なら、逆にあたしがいない時に挨拶に来させなさい。
喋るまでもなくどんな人間か分かるから。」


そう言って、お姉ちゃんは部屋から出ていった。


あたしは夢を見ているのではないかと思った。


< 275 / 410 >

この作品をシェア

pagetop