元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
暫くお互い何も話さなかった。
誰もいない休日のキャンパスは本当に静かだ。
聞こえるのは二人の足音のみである。
「真幸…」
「どうしたの?」
真幸は前を向いたままだった。
普段なら、その名を呼べば必ず振り向いてくれるのに。
あたしは胸の奥がギュッと潰されたような感覚を覚える。
感じた事がない種の罪悪感と苦しみに襲われた。
「あのね、」
あたしは小さく深呼吸をした。
言わなきゃ…
苦い湖の中、あたしはもがきながらも陸地に向かっている。
「えっと…あの、その…」
意味を成さない単語ばかりが口から漏れる。
その先がなかなか言えない。