元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「ごめんなさい。
その…別れてほしいの…」
夏の湿った空気が二人の間に漂う。
真幸は殆ど表情を変えない。
「やっぱり好きなんだね。」
「えっと…」
「妃奈が忘れられないって言ってた人、この前の先生だろ?」
「…」
何もかも、お見通しだったという事だろうか。
反対に、あたしは想定外だった。
もっと動揺されると思っていた。
「ごめんね。」
「謝るなって。
あの人じゃ俺、勝ち目ないや。」
そんな事ないと慌てて言おうとした。
でもあたしは真幸じゃなくて北条先生を選んだんだ。
否定なんててんでおかしい。