元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
-*-3rd Tuesday-*-
一つの契機
「お疲れ!」
「北条先生こそ。」
「俺は楽だったぞ。
なんせ授業受けてただけだし。」
確かにそうだ。
今日授業やってたのは主にあたしであり、北条先生は生徒に混じってあたしの話を聞いていた。
幸か不幸か、今日は何故か何処かのクラスに行く度に一人欠席していた。
北条先生は欠席者の席に座って、まるで生徒のように授業を受けてたのだ。
しかも凄く馴染んでいた。
20代後半のくせに、老けた高校生よりかは若く見えるのだ。
信じられないが、それを目の当たりにしたあたしは受け入れるしかない。
だが、そんな事思ってられたのも午前中のみだ。
精神疲労からそんなのどうでもよくなった。
そのせいで北条先生が本気で生徒に見えた。
午後の授業の終わり、あたしは北条先生を探したぐらいだ。
まさか一番前の真ん中に座っているとは思いもよらず。