元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたしは嬉々としてプリントに取り組む。
一枚終わって次のプリントへ、それを繰り返す内に束は更に薄くなる。
刹那、風が吹いた。
自身の髪が視界を遮り、思わず目を瞑った。
「…滝沢!」
「はい!」
返事をして目を開ける。
見ると、今まで目の前にあったプリントが消えていた。
「あっ…」
プリントが他の先生の机や床に散らばっていた。
やり終えたのも、まだ終わってないのも両方ともだ。
「すいません!」
あたしは慌ててプリントを集めた。
集めたのはいいが、今度は二つに分けなければならなかった。
終わったのもそうでないのも、一括してしまったからだ。