元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
こうやってる間にも、沢山の人が駅にやって来る。
勿論、電話して迎えを呼ぶ者もいれば、友人と食事に行く人も少なくなかった。
だけどあたしと北条先生は、話をしながら電車が動くのを待った。
話をすると言っても、殆どあたしが喋っていた。
最近の大学生とはどんなものかを、サークル、バイト、就活、ゼミ、友人関係、恋愛、様々な側面から話した。
勉強になる、そう言って北条先生はひたすら話を聞いてくれた。
自分の時はこうだったと、北条先生が話す時もあったが、少なかった。
あたしは次第に、ずっと話しているのが申し訳なくなってきた。
だが、話の切れ目がなかなか見つからず、長い間話した。
「そういえば、」
途中で北条先生がポツリと言った。
「あの子は何学部?」
「あの子?」
そう聞き返したが、誰のことかは分かった。