元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
疲労してないわけがない。
誰でもそうだし、見てたら分かる。
俺の申し訳なさは積もるばかりだ。
周りを見渡すと、人が消えては現れる。
何処かに座らせてやりたいが、座れそうな場所は既に誰かに取られている。
もたれられそうな所も同じだった。
せめて荷物だけでも持とうと提案したが、予想通り断られた。
電車が全く動かない中、する事もなく、話すしかなかった。
幸いにも、滝沢は黙っているよりも話している方が楽そうだった。
俺は聞き役に徹した。
それは俺にとってもプラスだった。
最近の大学の話を、現役の大学生から聞ける機会はあまりない。
順調にいけば、来年は3年生の担任になるから、進路の話もするだろう。
入試の事だけでなく、こういった事も話したい。