元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
普段通りに物事は進む。
短いホームルーム、適度な掃除を終えて、あたしは職員室に戻ろうとした。
そしたらまた声がした。
「滝沢先生。」
聞き慣れた声に、慌てて振り向いた。
「今日ってお忙しいですか?」
馬場さんは、この前のように暗くなかった。
「今日は…分からない。
北条先生に聞いてみないと。」
「じゃあ…待ってます。」
「下校時間超えると思うよ?」
「そんなに遅くまでお仕事ですか!」
「そんなに遅くはないけど…
家に持ち帰るか、学校で済ませるかの違いなのかな?」
あたしは残ってやる分だけでいいが、北条先生は家に帰っても仕事してそうだ。
「もし下校時間までに終わったら、また時間取っていただいてもいいですか?」
「勿論。
えっと…どうしたらいいかな?
図書室かどっかで待っててもらってもいい?」