元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「あの…正直に言って下さいね。」
「うん。」
「絶対に嘘付かないで下さいね。」
「分かった。」
今度は一体何を聞く気だろうか?
さっきの質問が質問なだけに、少し身構えてしまう。
「滝沢先生って…北条先生のことどう思ってますか?」
「…どう?」
「男性として、です。」
「…」
これは困った質問だった。
これが裁判所なら黙秘権を行使するのだが、生憎ここは学校だ。
生徒から逃げるわけにはいかない。
「男性としてね…」
とはいえそう簡単に答えられるものではない。
あたしにも一応立場がある。
あと何日かはここの実習生なのだ。
誰かに聞かれたら騒ぎになるかもしれない。