元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
彼女はまた俯く。
「ならいいよ。」
あたしはそう言った。
言いたくないなら言う必要ない。
「もうすぐ戻るの?」
「すぐっていうか…
1学期終わったら向こうに行こうかなって。
まだちゃんと決めたわけじゃないし、親にも学校にも話してないんです。
でも、そろそろ言わなきゃなって思ってます。」
「友達は?」
「一部の子にはやんわりと。」
「そっか。」
「あの…まだ他の先生には言わないで下さいね。
北条先生にも。」
「分かった。」
「本当に…ありがとうございます。」
「日本離れても頑張ってね。」
「はい。」
馬場さんは頭を下げて挨拶すると、階段を下りて行ってしまった。
あたしは彼女を見送った後、同じ階段を下りた。