元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
その愚かさを認識したのは翌日の朝であった。
己を恥じて、憂鬱な気分になる。
だが、学校に行く支度をしている間に、そんな気持ちは何処かへ行ってしまった。
再びまみえるかもしれないという期待でいっぱいだった。
俺はまた走って学校に行った。
教室に行くと、誰もいなかった。
それはそうか。
早くに家を出て、なおかつ走ったのだから。
俺はする事もなく、席に座っていただけだ。
少しして、廊下から声が聞こえた。
女の子の声だった。
「そういうわけで、なるべく内緒にして下さい。」
「構わないけど、馬場さんが心配してるような事はないと思うよ?」
「でも…あたし、特別な子になるの嫌なんです。
やっぱり、帰国子女って普通じゃないと思うんで。」
「…分かったわ。」
どうももう一人は担任のようだ。
俺は昨日ちゃんと入学式に参加してなかったから、確信は出来ないが、女だったのは流石に覚えている。