元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
もう終わりか。
俺はゆっくりと顔を上げた。
「なあ磐井。」
「何ですか?」
「やれる事はやっとけよ。」
やれる事?
「勿論、磐井なりの考えがあるんだと思う。
でも、馬場を傷付ける事しないかぎりは、自分に正直になっていいと思う。」
「…もう既に傷付けた場合は?」
「それは…何したかによるな…」
「馬場ちゃんが帰国子女だって知ってるよって。」
もう会わない方がいいかな。
この前会った時にちょっと考えた。
嫌だけど、仕方ない。
きっと馬場ちゃんは、俺に会うのが嫌だろうから。
「それなら…まず謝らないとな。
馬場がいる間にやらなきゃならない。」
「会って、ですよね?」
「当たり前だ。」
北条はそう言って、足を動かした。