元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
阿紗子の話
今日は昨日よりも遅くに終わった。
彼の手伝いをし今日の分のレポートを書き、それを提出した頃には、時計の短い針は7と8の間にあった。
あたしは荷物を置いてある第二応接室に向かうと、阿紗子がソファに座っていた。
「阿紗子?」
「あ、妃奈!」
「もしかして、待っててくれたの?」
「待ってたって程じゃないけど。
妃奈と帰りたかったから。」
「そっか。
待たせてごめんね?」
「全然いいよ。
あたしこそ、気を使わせてごめん。
じゃあ、行こ!」
「うん。」
それからあたし達は校舎を出て、駅の方に向かう。
季節のせいか、この時間なのにまだ日輪は沈みきっていない。