元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
何かあったもなにも、別れたのだ。
それに、想い人から元彼の名前を聞くなんて思いもよらなかった。
「聞いてなかっただけです。」
「…そうか。
滝沢は今頑張ってるもんな。」
「どういう事ですか?」
「そりゃ、今は就職難だから、内定貰えたからってぬか喜びは出来ないけど、滝沢は今実習中なわけじゃん?
大事な人が頑張ってるのに、言いにくかったんじゃないかって、俺は思ってさ。」
「…そうなんでしょうか。」
そんな理由ではないだろう。
ただ言うに足りる存在でなかっただけだ。
「きっとそうだ。」
北条先生は確信したように言った。
「…」
もう何と返せばいいかも分からなかった。