元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
それからは黙々と手伝いに励んだ。
赤ペンが手から離れる事はなかった。
ひたすら小テストの丸つけを行う。
ふと、全問正解である生徒の名前を見た。
「北条先生!」
「どうした?」
「これ…」
それは馬場さんの解答用紙だった。
馬場さんがこの点数を取れるだけの力がある事は知っている。
北条先生も本当は知っているのだろう。
それに、後で必ず北条先生この解答用紙を見る。
だが、どうしても今北条先生に見てほしかった。
「…頑張ったんだな。」
その一言にあたしは頷いた。
「はい。」