元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
何について謝られているのか分からなかった。
謝られるような事をされた覚えはない。
「ごめん。
何の事かちょっとよく分からないんだけど…」
「…気付いてないならいいです。」
「いいの?」
「はい。
それこそ、混乱させてすいません。」
「いいんだけど…」
本当に何の事か分からなかった。
考えれば考える程に分からなくなる。
どころか、荷物運ぶの手伝ってくれたとか、良い事しかされてない。
「謝られてるのに、こんな事言うのも変かもしれないけど、ありがとう。」
「俺、何かしましたっけ?」
「何度か助けてもらってるから。
ほら、体育祭の準備の時は荷物運ぶの手伝ってくれたでしょ?
それに、馬場さんと北条先生が話してて、あたしが声かけづらい時にも助けてくれたから。」
「…そういえば、そうでしたね。
どういたしまして。」
お礼を言えたあたしはスッキリとした気持ちになったが、それを言った為に磐井君が複雑な顔をしたのは気のせいだろうか。