元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
だが、一瞬何をすればいいか分からなかった。
あたしは他のプリントもざっと目を通す。
アルファベットなんて一文字も書かれてなかった。
あたしはもう一度、最初に見たプリントを見た。
“滝沢先生はきっと良い先生になれるから、これからも頑張って下さい!”
「北条先生、これ…」
「滝沢が授業やってみたクラスの子、皆に書いてもらったんだ。」
「いつの間にこんなの配ったんですか?」
「戸田先生とか山野の担当の木内先生とかに頼んで、内緒で配ってもらった。」
あたしはもう一度プリントの束を見た。
あたしはこの何日かで、こんなにも沢山の生徒と関われたんだ。
「一枚ずつ配ったんだが、あれじゃ紙足りないって言いに来た奴もいるんだぞ。」
あたしはプリントを抱えた。
「ありがとうございます。」
皆があたしの為に書いてくれた。
先生達も協力してくれたんだ。