元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
真幸を少しでも悪いように考えた自分への嫌悪感は凄まじかった。
何でそんなふうに物事を捉えたのだろうか。
そもそも、どうしてそう疑う事が出来たのか。
今まで真幸がくれた沢山の優しさを、あたしはどう受け止めてたのだろいか。
もう穴に隠れて一生出たくないと思った。
「妃奈が何謝ってるか知らないけどさー」
右耳から伝わる声が続きを述べる。
「とにかく色んな事頑張れよ。
就職も恋愛も。
って…俺が言えた事じゃないか。」
「…ありがとう。」
「おう。
あ、それとさ!」
「何?」
「これからも宜しくな。
社会人になっても、年金貰うような歳になっても、仲良くしてくれよ。」
「うん!
こちらこそ、宜しくね。」
「…言えてよかったー!」
一層大きな声に、思わず耳を携帯電話から離した。
「もう、いきなり大声出さないでよ。」