元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


真幸を少しでも悪いように考えた自分への嫌悪感は凄まじかった。


何でそんなふうに物事を捉えたのだろうか。


そもそも、どうしてそう疑う事が出来たのか。


今まで真幸がくれた沢山の優しさを、あたしはどう受け止めてたのだろいか。


もう穴に隠れて一生出たくないと思った。


「妃奈が何謝ってるか知らないけどさー」


右耳から伝わる声が続きを述べる。


「とにかく色んな事頑張れよ。
就職も恋愛も。
って…俺が言えた事じゃないか。」


「…ありがとう。」


「おう。
あ、それとさ!」


「何?」


「これからも宜しくな。
社会人になっても、年金貰うような歳になっても、仲良くしてくれよ。」


「うん!
こちらこそ、宜しくね。」


「…言えてよかったー!」


一層大きな声に、思わず耳を携帯電話から離した。


「もう、いきなり大声出さないでよ。」


< 382 / 410 >

この作品をシェア

pagetop