元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたし達は、三週間お世話になった第二応接室に向かう。
「この時間って本当に人いないよね。」
「早いからね。」
確かに、あたしが来る時、人はあまりいない。
先生が数人いたり、朝練ある子に会うぐらいだ。
あたし達は応接室のドアの前に立った。
「妃奈が開けてよ。」
「阿紗子が開けてよ。」
お互い同時に言った。
きっと考えている事は一緒だ。
ドアを開けるのが怖い。
今日だって何回も出入りするのに、これが最後な気がするのだ。
「一緒に開ける?」
「うん!」
阿紗子がドアノブを握った。
あたしはその阿紗子の手を握った。
「いっせーのーで!」
二人でドアを押した。