元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「俺もやってる。
生徒は嫌がって絶対にやらないから、何人かで交代でする事になったんだ。」
「そうだったですか。」
それなら納得だ。
「そうそう。
で、滝沢の話って…」
「あ!」
小部屋に驚いている場合ではなかった。
「北条先生に、聞いてほしい事があるんです。」
部屋に向けていた目を北条先生に移す。
「何?」
「えっと…」
静まっていた心臓が、またドクドクと動き始める。
目を見て言おうと思ったのに、あたしは俯く。
「北条先生…」
刹那、頭が真っ白になる。
言葉が痞えた。
感じるは、鼓動と彼の視線のみだ。