元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「ごめんね、馬場さん。
あたし応援は出来ない。」
「理由、聞いてもいいですか?」
「もし、ここで馬場さんのこと応援したとして、他の子にも同じ相談受けて、応援してって言われたら、その時は同じように応援するって言わなきゃいけない。
不平等に扱う事は出来ないから。
でも、」
「でもそれをしたら結局はどっちの味方なんだって話になる。
それはただの八方美人なだけ、だから応援は出来ない、ですよね?」
あたしが言いたかった事を淡々と話した彼女はまた言葉を繋げた。
「困らせちゃってごめんなさい。
でも話ぐらいはまた聞いて下さいね!
それじゃあ。」
体の向きを変えた彼女はあたしから遠ざかっていく。
赤い夕日に照らされた彼女の髪は、真っ黒なはずなのに茶色に見えた。